NPO法人 設立の重点ポイント
NPO法人設立のためには、下記の項目すべてに適合している必要があります。 ご説明は、当事務所でご相談を受けた場合のご対応例です。
※分かりやすく表現するために、一部法律用語とは異なっております。
1. 主な活動が特定非営利活動促進法に定められた20の分野に該当していること | 少なくとも一つは該当している必要があります 。現実には、全く該当しないということはないと思われます。なお、この活動分野の決定に基づき、定款、予算など全てのドキュメントが決定されますので、極めて重要です。 |
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2. 不特定多数の利益に貢献する活動を行うこと | 入会資格を「理事の2名の推薦を必要とする」としたり、入会金が極端な高額である場合などは認められません 。よくあるご質問ですが、社会通念上問題のある方の入会をお断りするためには、運営上の工夫を事前に考慮することが重要です。 |
3. 営利目的でないこと | 法人として利益を上げることは構いません 。役員、社員に利益の分配を行うことは出来ません。一方、業務へ従事した兼務役員への給与の支払いは全く問題ありません。年間数千万円の剰余金があるNPO法人も珍しくありません。 |
4. 主たる目的が宗教活動がでないこと | 既存の宗教法人とのかかわりについても慎重な検討が必要です。不認証の原因になります。 |
5. 特定の候補者や政党を推薦、支援、または反対する目的ではないこと | 従たる目的であっても認められません。一方、例えば理事個人の活動については制限されるものではありません。 |
6. 特定の個人、法人、団体の利益を目的としないこと | 特定の国家との友好云々を事業目的とする場合には、申請書類上の表現について、実例を慎重に検討します。 |
7. 特定の政党の為に利用しないこと | 特定の政党の利益を目的とすることは認められません。 |
8. 特定非営利活動の事業を中心とし、支障がない範囲でその他の事業を行うこと | その他の事業の収益は、特定非営利活動の事業の為に充てなければなりません 。特に設立時の収支予算書の作成においては、特にポイントとなります。 |
9. 暴力団、暴力団構成員と関係がないこと | 関係があれば100%無理といってよいと思います。 |
10. 総会の議決権の資格の得失に不当な条件を付けないこと | 特定の者にのみ議決権を与える、例えば会費の額で議決権の数に差をつける、などは不可能です。 |
11. 社員が10人以上いること | 社員とは法人の構成員を指します。法人の意思決定が出来る重要なポジションです。なお、法人で働く人(従業員)のことではありません。 |
12. 役員(理事、監事)のうち、報酬を受けるものが1/3以下であること | 役員名簿への記載事項になっています。なお、業務へ従事した兼務役員に対する給与の支払いは可能です。 |
13. 理事3人以上、監事1人以上の役員がいること | 理事は職員を兼ねられます。監事は職員を兼ねられません。 |
14. 役員が成年被後見人、被保佐人などでないこと | 未成年者でも役員に就任することは可能です。その場合には法定代理人の同意書や印鑑証明などの添付書類が必要となります。 |
15. 役員の親族等の数が制限数内であること | 各役員の配偶者や3親等内の親族が役員に就任可能な数は、役員総数5人以下なら0人、6人以上なら1人までです。つまり、理事が6名ならその中にご夫婦の1ペアがあって良いことになります。 |
16. 正規の簿記、真実性・明瞭表示、継続性の各原則に基づいた会計を行うこと | 専用の会計ソフトもありますが、高額のものが多いようです。市販の企業用の会計ソフト等で管理され、事業報告の際には所定のフォーマットへ組み替える方法が良いと思います。 |